atskimura-memo

あまり仕事とは関係なく適当に書きます。開発ネタが多いかもしれません。

メール配信クラウドサービス13個の価格比較グラフを作りました(SES/SendGrid/Mailgun...)

メール配信サービスを調べていたら、調子に乗って 月間のメール配信数ごとの価格比較グラフ ができあがりました。

http://atskimura.github.io/compare/cloud-mail.html

f:id:a_kimura:20140212225513j:plain

多すぎ!w 以下で細かく見て行きましょう。

なお、ここで言うメール配信サービスはAmazon SESやSendGridなど、アプリから通知メールを大量配信するときなどに使うサービスです。

対象サービス

対象にしたサービスは以下の13個。相変わらずいっぱいある。

MailChimpなどのマーケティングメールサービスはメールアドレス数で課金なので、今回は除きました。
他の国内のサービスもいくつか見たのですが、だいたい価格が公開されていないのできちんと公開されていたニフティクラウド以外諦めました。

予備知識

SESとSendGrid Liteが群を抜いて安いので、予備知識として軽く機能をまとめると、

  • SESとSendGrid Liteは固定IPを提供していません。
  • SESとSendGrid Liteは開封やクリックのトラッキング機能も提供していません。
  • SES、Mailgun、SocketLabsなどのいくつかのサービスはニュースレター送信用のWYSIWYGを提供していません。
  • SES、LeaderSend、SocketLabsなどのいくつかのサービスはメール受信APIを提供していません。

こんな感じで、SESとSendGrid Liteプランが安いのには理由があり、いろいろ提供していません。

あと価格を考えるにあたってはマーケティングメール機能がどれほどのものなのかが大きく関わってきそうです。
例えば、マーケティングメール専用のMailChimpは送信先アドレス数1万で月$75です。
一応多くのサービスがニュースレター送れるぜ!って書いてるんですよね。MailChimpを代替できるほどのマーケティングメール機能があるのであれば、-$75して考えてもよいかもしれません。

詳しい機能比較は以下のサイトによくまとまっているので後でそちらをご覧ください。

Transactional Email Service & Bulk Email Software | Comparison tables - SocialCompare

ただ、LeaderSendはDKIMに対応しているはずなのに非対応になっていたりと正確ではないかもしれませんのでご注意を。

あと、先日こんなスライド「「AWSからのメール送信」」が話題になっていましたが、携帯キャリアに送る場合はこういう海外のサービスはどうなんですかね。うちは今のところ送ることがないので困っていないのですが、その辺知りたいところです。

現状⽇日本国内の携帯キャリアの制限を⼗十分考慮した配信アルゴリズ ムにはなっていない(特に迷惑メールフィルタの考慮など)
引用:AWSからのメール送信

ニフティクラウドさんはその点安心そうです。

2,700万人以上が利用する携帯キャリアの公式サービス向けのメールサービスにメール配信システムを提供、その開発・運用ノウハウを集結させた高機能メール配信エンジンを搭載しています。
引用:クラウド 機能・サービス(ESS(メール配信)) | ニフティクラウド

グラフの説明

  • 月間のメール配信数を横軸、月額費用を縦軸にしています。
  • グラフの右のサービス名をクリックするとそのサービスのグラフが強調表示されます。
  • グラフはドラッグで範囲指定して拡大できます。拡大は右クリックでリセットできます。

いろいろ遊べます。

http://atskimura.github.io/compare/cloud-mail.html

注意事項

  • Amazon SESは1日の2000通の無料枠を毎日(30日)使い切ると想定しています。
  • Elastic Emailは累積配信数が多いほど単価が安くなる価格体系です。1000メールでlevel 1($1)からlevel 14($0.08)まで変わります。(詳細:Price Levels
  • CritSendはクレジット制です。大量のクレジットを一括で買うと単価が安くなります。
  • なので、Elastic EmailとCritSendはグラフが正確ではありません。考慮して見てください。
  • 階段型の価格体系のサービス(SocketLabs/turboSMTP/PostageApp/NiftyCloud ESS)はある配信数以上は0円になっていますが、これは一定数以上は問い合わせになっているため価格がわからないためです。

グラフを見ていこう!

というわけでやっとグラフを見て行きましょう。0〜1万通、1万〜10万通など月間配信数別に少し細かく見ていきますが、見やすいようにばか高いのは除いています。

0〜1万通/月

f:id:a_kimura:20140212231603j:plain

Mailgunが10,000通まで、Mandrillは12,000通まで無料。SESは一日2,000通無料。
と際立っていますが、月1万通ならだいたい1,000円以内なのでどれでもいいかなあという印象。

1万〜10万通/月

f:id:a_kimura:20140212233305j:plain

だんだん難しくなってきました。
固定IPなしのSES、SendGrid Lite、SendGrid Bronze、Mandrillは置いておいて、他を見てみましょう。固定IPがそこまで重要かもわかりませんが。

この辺の価格は僅差ですが、3万通のMailjet Bronze 764円を除いて、Mailgunが一番安いですね。10万通で4,590円です。

10万〜50万通/月

f:id:a_kimura:20140213003342j:plain

10万通を超えてすぐMailgunがLeaderSendとMandrill(固定IP)に抜かれました。
ついに月額固定$50で送信数無制限という恐ろしい価格体系のLeaderSendが登場です。11万通以降はLeaderSendが意味の分からない強さを誇ります。続いて、Mandrill(固定IP)、Maigunが続くという状態です。
Elastic EmailはそろそろLevel 4(累積配信数25万件)くらいかなとLevel 4にしていますが、いまいち見るべきところがありません。
階段型のPostageAppはなんとも評価がしにくいです。
ちなみにSendGridとMailjetは25万件前後でSilverに変わってGold登場です。

50万〜100万通/月

f:id:a_kimura:20140213004510j:plain

安すぎるLeaderSendにはご退場頂きました。100万件で23,210円と激安のMandrill(固定IP)もちょっと置いておいて。
そろそろ300万通分クレジット買ってもいいだろうとCritSend PremiumにしてみたらCritSend優勢です。 そろそろ累積250万通くらいいくかなとlevel 7にしてみたElastic Emailもがんばります。
そして評価がしにくかったPostageAppがついに100万通で追い上げてきました。
SendGridは最高プランのPremiumを投入するがあとはだんご状態。

100万〜250万通/月

f:id:a_kimura:20140213005322j:plain

そして最後の直線。

誰も抜けないと思われたMandrill(固定)をそろそろ累計2,000万通くらいいくんじゃね?とレベルアップしたElastic Email level 10が一気に追い抜いた。
しかし、Mandrill(固定)も再び追い上げ、差は縮まっていき、同着でゴール!!46,000円くらいでした。

そろそろ1,000万通くらいまとめがいしてもいいんじゃね?というCritSend Enterpriseさんが76,469円で3着。(前の周CritSendさん忘れた><)
Mailjetが最強のDiamondを繰り出して、4着に入りました。81,594円。

ちなみにPostageAppなどの階段型勢は「100万通以上は問い合わせ」などのアクシデントによりリタイアしております。

さらにちなみにSESは24,888円、LeaderSendは相変わらずの5,100円です。

250万通で終えましたが、Elastic Emailはlevel 13(累計8,500万通)までレベルアップするとSESより安い(1,000通$0.09、SESは$0.1)。送信数が少ないと高いですが、ものすごく送信数が多い場合はElastic Emailはいいかもしれません。

終わりに

結局よくわかりませんが、作ってておもしろかったですw
どんどんレベルアップするElastic Emailがいい味出しています。

真面目な話をすると、co-meetingでは、通知メールにSES、マーケティングメールにMailChimpを使ってるんですが、SendGridはSilverプラン以上でマーケティングメールを出せるので、合わせてSendGrid Silverプランにしてしまうというのもいいかなあと思いつつあります。
SendGridはちょうど昨年12月に構造計画研究所が日本での販売・サポートを始めたばかりで、国内サポートにも力を入れているみたいです。
ASCII.jp:スタートアップから大手にまで愛されるSendGrid本格上陸

グローバルでインフラを提供でき、AWSに対抗できるのは、SendGridくらいだ。他のメールサービスはスケールや信頼性に関して、なんらかの限界を抱える

だそうですよ。日本語サポートやドキュメントを提供してもらえるのも魅力的ですね。
というわけで、ちょうど2月24日にあるSendGrid Night episode 2に申し込んでみました。

あとは、何通送っても$50固定のLeaderSendとかなり安いMandrillが気になります。LeaderSend安すぎて逆に怖い。
これらのマーケティングメール機能がどれほどか。ちょっとまた調べてみたいと思います。
でも、MandrillはMailChimpと同じ会社が提供しているサービスなんですよね。乗り換えられるとは思えないw

最後にもう一度グラフのリンクです。遊んでみてください。

http://atskimura.github.io/compare/cloud-mail.html

参考

追記

2014-02-25 20:42

今更ながらミスを見つけたので修正
誤:(1,000通$0.9、SESは$1)
正:(1,000通$0.09、SESは$0.1)